日本で働く外国人を解説!~ネパール編~
もはや見ない日は無いと言えるほど、様々な場で活躍している外国人労働者たち。その数は2008年から増加し続けており、厚生労働省によると2018年10月の時点で146万人を超えたとのことです。
今後ますます企業の成長に欠かせない存在となっていくであろう外国人労働者について様々な角度から理解を深めるため、
このシリーズでは日本での就業者数の多い国について国別に解説していきます。
今回は、第6位であるネパールについて、文化・仕事観・特色等をご紹介します。
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そもそもネパールってどんな国?
ネパールとは正式名称をネパール連邦民主共和国といい、2016年時点で人口2,898万人、14.7万平方キロメートルと北海道の約1.8倍の面積に、93の異なる言語や地域語を持つ100以上の民族が暮らしている国となっています。
後発開発途上国(LLDC)に分類される国で、就労人口の約3分の2が農業に従事しており、主要産業は農林業,貿易・卸売り業,交通・通信業、工業製品、既製服を主な輸出品としています。
人口の80%以上がヒンドゥー教徒国で、工芸品や文化の多くが宗教に根ざしたものとなっています。
公用語はネパール語としていますが、歴史としてイギリスとの関係がとても深かったため、英語が都市部の私立学校の教育公用語にもなっており、比較的良く通じます。
日本とネパールの習慣・文化の違い
日本人とネパール人の習慣・文化の違いをいくつかご紹介します。
①時間に対する観念
ネパール人と他の国々で最も違う点としてはその時間に対する観念です。
一言で言ってしまえば、ネパール人はとても時間にルーズです。
約束には遅れていくのは当たり前、そのためそもそも遅れたことに対して反省する、という感覚があまりありません。
ネパール人が日本に来て働くとまず時間通りに出社していることに驚くそうです。日本にも時間にルーズな方はいるかと思いますが、ネパール人の時間に対する観念は日本人の考える時間にルーズとは一線をかくすものです。
②首を横に降るのはイエス
日本では首を縦に振るのが肯定を示すジェスチャーとなっています。
しかし、ネパールではこれが完全に逆になります。
突然イエスの時に首を横に振るようにしてくれと言われても、すぐに対応するのは難しいかと思います。すぐに直せない普段の何気ないジェスチャーですので、ネパール人と会話をする際は注意をしてあげる必要があります。
ネパール人は、なぜ日本を就業先に選ぶのか
ネパール人は留学、家族滞在、技能来日がその多くを占めています。
留学については日本政府が2008年に策定した「外国人留学生30万人計画」が日本への留学ブームをアジア新興国で巻き起こしたことによる増加が多くを占めています。
技能ビザと家族滞在については連動していて、そのほとんどが、ビザを取得しやすい飲食店従業員としての滞在です。インド料理店などで数年勤めたのち独立し、母国から家族を呼び寄せるケースが増えています。
ネパール人の平均月収は首都のカトマンズ付近で8,000~10,000円程度、日本で働いた方が稼ぎになり、ビザも取得しやすいのであれば移住者が増加するのもわかるというものです。
近年のネパール人の増加に対して東京ではネパール人の子供に対しての学校も設立されたことで生活のしやすさもさらに高まり、移住者の増加に拍車をかけるものとなりました。
参照:日本留学総合情報ガイド
ネパール人の仕事観
ネパール人の仕事観を簡単にまとめると、助け合いの精神が強いかわりに向上心があまり高くなく、他力本願な部分が目立ちます。
ネパールではカースト制度が今でも残っています。
それにより分相応、高望みをせずに現状に満足する性格の人が多いといわれています。自身で生活レベルを高めよう、お金を稼いで贅沢をしよう、とする人は少なく、それは向上心があまり高くないことに繋がっています。
そして、それは何か問題が発生すると自分で解決する道を探るより、周りに助けを求める傾向が強いことにも繋がっています。
しかし、周りに助けを求める傾向が強いため、お互いの助け合いの精神は強く持っています。
ネパールに旅行すると人々が助け合う場面に必ずと言っていいほど遭遇するほどだそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、日本に就業している外国人就業者数第6位の『ネパール』についてご紹介いたしました。
ネパール人と日本人では時間の流れやなど根本的な部分での違いがいくつかあります。ネパールの方と交流する機会がある方、ネパールの方を雇用する予定の方、既に雇用されている方など、興味がある方にとって役立つ情報となっておりましたら幸いです。