日本で働く外国人を解説!~韓国編~
もはや見ない日は無いと言えるほど、様々な場で活躍している外国人労働者たち。その数は2008年から増加し続けており、厚生労働省によると2018年10月の時点で146万人を超えたとのことです。
今後ますます企業の成長に欠かせない存在となっていくであろう外国人労働者について様々な角度から理解を深めるため、
このシリーズでは日本での就業者数の多い国について国別に解説していきます。
今回は、第6位である韓国について、文化・仕事観・特色等をご紹介します。
コンテンツ
そもそも韓国ってどんな国?
韓国というのは通称であり、正式名称は大韓民国と言います。
2018年時点での人口は5182万6059人と、世界でも26番目に人口が多い国とされています。
参照:대한민국/인구|나무위키
実は、“IT先進国”である韓国。1998年に、当時就任した金大中大統領が国の政策としてIT産業を推進したことがきっかけだそうです。
そこから一気にIT化が進み、2018年時点では、スマートフォンの普及率が94%と世界1位になりました。
今回のコラムを担当している私も度々韓国へ旅行に行くのですが、ご年配の方がスマートフォンを使いこなしているところをよく見かけます。
日本ではあまり見ない光景なので、とても印象的だと感じました。
また、韓国の大手企業であるサムスン電子は、手がけているスマートフォンがファーウェイ、アップルという有名企業を押さえて世界シェア率1位(2018年時点の出荷量によるランキング)になるなど、IT産業の推進によって世界的にも有名な企業となりました。
このことからも、韓国が世界を引っ張るIT先進国として発展しているのが良く分かります。
日本と韓国の習慣・文化の違い
日本と韓国の習慣・文化の違いについて、いくつかご紹介します。
①握手際は、片手を添える?
握手をするとき、日本人同士であれば片手または両手でおこなうことが多いことと思います。しかし、韓国ではこれがマナー違反になってしまいます。
韓国では、“握手をしていない手を反対の肘に軽く添える”のがマナーです。日本と同じく、目上の方に対してやビジネスシーンで用いられており、相手への尊敬を表す行為とされています。
韓国の方と握手をする機会があったらぜひ実践してみてください。より良い関係性を築けるはずです。
②会社内の目上の人の呼び方は、○○様?
上司や先輩を呼ぶとき、日本では「○○さん」や「○○社長」「○○課長」といった敬称をつけることが多いですが、
韓国では「○○社長様」「○○課長様」「先輩様」と、“様”をつけて呼ぶ文化があります。ちなみに、同い年の同僚に関しては必ず“さん”を使います。
韓国は儒教の国で、目上の方に対して尊敬の意を表すことをとても重要視しているため、このような呼び方になるそうです。
日本企業で働く韓国の方からすると、日本で使われる敬称は軽すぎると感じているかもしれません。
③せっかちな文化?
韓国の方は、とにかくせっかちです。「早く!早く!」が口癖かつ習慣のため、『早く!早く!文化』とも言われています。
例えば、日本ではバスや地下鉄を降りるとき、その駅や停留所に到着してから降車ドアに向かいますが、韓国では“目的地のひとつ前”の駅や停留所に到着した時点で降車ドアの近くに待機しはじめ、目的地に到着し速やかに降車するのです。
また、食事のときは最後の一口を口に入れた瞬間「もう行こう!」となることが多く、時には食べ終わる前にお店を出ることもあるとか。
韓国人は、なぜ日本を就業先に選ぶのか
韓国は“超”学歴社会であり、日本以上に良い大学、良い就職をすることを目指している人が多い国だということをご存知ですか?
しかし、韓国では上位大学を卒業しても就職率60~70%と言われており、大学卒業後20~30%の方は就職ができない、すなわち失業している状況で、まさに就職氷河期なのです。
さらに、韓国は受験戦争も激しく、日本のセンター試験と同じような物が年に1回しかおこなわれません。
その試験で良い成績が取れないと良い大学に行けず就職率もさらに悪くなるため、受験生は1日4時間程度の睡眠で必死に勉強に取り組むのです。
そのため、「それだけ努力をしても就職できない可能性があるのならば、その時間を日本語の勉強に使い、日本の大学、または韓国国内でトップクラスではない大学に入学し、就職活動の時期になったら日本で就活しよう。」と考えるわけです。
しかも、現在日本は大学卒業者の就職率98%という完全な売り手市場。就職氷河期の韓国に比べて、格段に就職がしやすいというのも選ばれる理由になっています。
また、韓国と日本は飛行機で片道2時間30分という距離にあります。この、就業しても気軽に母国に帰れる場所にあるというのも、日本での就職を希望するもう1つの理由なんだとか。
韓国人の仕事観
先ほど、せっかちな文化であるとお伝えしましたが、仕事でもスピードを重視しています。
「とにかくやってみよう!」、「大丈夫!なんとかなる!」が根本にあるため、事前に何度もミーティングを重ねながら進める日本とは異なり、とにかく最短でスタートさせることを目指します。
ある程度のスケジュールは立ててから進めますがリスクヘッジをおこなわないので、問題が起きると解決が難しく、結局そのまま進行してしまったり、急遽増員することなどもしばしばあるのだとか。
このように、韓国においては、100%準備してからのスタートではなく「50%でもいいから準備ができたら実行!」というのがスタンダードなようです。
また、日本では仕事に対して“やりがい”や“仕事の内容”に重きを置く傾向にありますが、韓国においては“給与”や“福利厚生”、“勤務時間(休日)”を重要視する傾向にあり、少しでも生活水準を上げようという意識が強いそうです。
常にステップアップを意識しているため、在籍している会社より良い待遇の会社があれば、すぐに転職をします。
転職はあたりまえであり、転職をしていない人は「転職できるほどの能力がない。」と思われてしまうこともあるそうです。
そして、未だにリファラル採用(縁故採用)が根強い韓国では人脈で転職することも多いため、転職のチャンスを増やすには人脈を増やすことが重要であると考えられています。
そのため、人脈を増やせる場の一つとして、飲み会に積極的に参加する傾向があります。それぞれのパーソナリティーにもよりますが、飲みニケーションを大切にしている人が多いのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、日本に就業している外国人就業者数第2位の『韓国』についてご紹介いたしました。
韓国の方と交流する機会がある方、韓国の方を雇用する予定の方、既に雇用されている方など、興味がある方にとって役立つ情報であると嬉しいです。