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魅力度ランキング52位…外国人労働者が日本で働きたくない理由とは?

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日本国内で働く外国人労働者の数は増加し続けているものの、残念ながら誰もが就職したいと考える人気の国だからというわけではありません。

むしろIMD(国際経営開発研究所)によれば、日本の『働く国としての魅力』は対象国61ヵ国の内52位と、下から数えた方が早いのだそうです。

この状況を改善し、世界的に、また我々日本人にとっても働きやすい国にしていくためにはどのようにしたら良いかを探るため、日本が就職面で魅力的でない理由について調べてみました。

日本は本当に魅力が無いのか

「日本は海外から見て魅力が無いのか」とがっかりされたかもしれませんが、実は一度就職をしたことがある方から見るとそこまで魅力が無いわけではないようです。

日本国際化推進協会が2018年におこなった『外国人の日本での就業意識に関する調査』によれば、

「母国の友人に日本での仕事を薦めるか?」という問いから、日本で就業することの魅力度について明らかにした。その結果、未就職で帰国した元留学生を除いて、全体的に約80%がポジティブな回答をしていることが分かった。

とのことでした。

引用:外国人の日本での就業意識に関する調査2018 年実施|RIETI 調査レポート Vol. 6

母国の友人に日本での仕事を薦めるか?

「あまり薦めない」「全く薦めない」という回答をした割合が多いのは帰国者(未就職者)が多いということから、就職ができずに帰国した場合にネガティブな印象を与えてしまうことがあるということが伺えます。

なぜそのような結果になるのでしょうか?

就職前の悩み

JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)が2017年に発表した調査結果によると、『来日した留学生の内、70%弱は日本での就職を希望している』そうですす。しかし、実際に就職に至る割合はほんの23割程度。

一体何が原因となっているのでしょうか?

①企業の受け入れ態勢が不十分

こちらは、2017年に株式会社パソナでおこなわれた外国籍留学生に関する就労意識調査の結果です。

就職する上で障がいになっていること

引用:平成30 留学生調査外国籍留学生に関する就労意識調査|株式会社パソナ

これを見ると、そもそも募集数が少ないことや、留学生にも日本人の就活生に近いレベルを求めていることが分かります。

企業側の受け入れ態勢が整っていないということが大きな原因の1つであることが伺えます。

②就活の仕組みが分からない

こちらは、交換留学生が思う交換留学による効果の割合を示すグラフです。

項目別、回答者が考えた交換留学が及ぼした効果

また、同学生に「日本で仕事を見つける自信はあるか」という質問をした際の回答がこちら。

交換留学生、日本で仕事を見つける自信

「日本で就職する方法を知っている」と答えたのはわずか33%であり、さらには「就職先を見つける自信を少しでも持っている」と答えた人は半数を割る結果が出ています。

興味や意欲があるのに方法が分からないために断念する方が多いというのはとても残念なことですね。

引用:外国人の日本での就業意識に関する調査2018 年実施|RIETI 調査レポート Vol. 6

③意欲があっても権利を得られない

外国人が日本で働くためには、『就労ビザ』というものを取得しなければなりません。このビザの取得というのが、外国人材が就職できないもう一つの大きな壁になっているようです、

日本での就職を目指す留学生をサポートしている外国人雇用サービスセンターによると、「留学生は、職種を絞らないと就労ビザが得られない可能性がある」とのこと。

留学生就職支援ネットワークの就労ビザに関するページにも、申請に必要となる書類として

申請理由書(任意提出、書式自由)
就職までの経緯、就職先の職務内容、大学等で専攻した勉学研究分野との関連性等

とあります。

つまり、日本に留学後、学校で学んでいる最中に本当にやりたいことが見つかったとしても、学校での『専攻』と、就職したい場での『業務』が関連していないと、就労ビザを認めてもらえない場合があるのです。

参照:なぜ進まない 外国人留学生の「就職」|けさのクローズアップ|NHK おはよう日本

参照:就労ビザについて|留学生就職支援ネットワーク

就職後の不満

日本での就職に関する魅力度の低さは、就職活動の難しさからくるものだけではありません。上記の難関を潜り抜けて日本に就職したあとも、様々な悩みがあるそうです。

こちらは、実際に日本で働いている外国人の方々を対象におこなった『職場への満足度』に関する調査結果です。

現在自分が働いている会社について、以下の11項目に対する満足度を5段階で評価してもらい、その平均値を示しています。

項目別、5点満点での平均評価

これを見ると、「キャリアの発展性」、次いで「労働時間」の満足度が低い傾向があることが分かります。

さらに、キャリアの発展に関する不満についてはこちらの2015年に経済産業省によって設置された『内なる国際化研究会』による調査を見るとさらに顕著に示されています。

留学生・元留学生から見た日本企業への不満

こちらのグラフからも賃金や人事に関する不満が多く見受けられる通り、日本独特の職業観と外国人材の職業観との間には、大きなギャップがあるようです。

引用:外国人の日本での就業意識に関する調査2018 年実施|RIETI 調査レポート Vol. 6

引用:若手外国人材から見た日本企業の特徴が明らかになりました|経済産業省

まとめ

今回調べた結果をまとめると、

  • 日本の『働く国としての魅力度』は、対象者を広げると低めだが、就業経験がある人からの印象はそんなに悪くない。
  • 就職までの障壁が多いことと、職業観のギャップによる不満によって、ネガティブな印象を持たれている。

ということが分かりました。

 

今後、優秀な外国人材を採用していきたいと考えるのであれば、
まずは就活生に向けて

  • 日本人の就活生とは別の基準を設け、その特性を生かせる場を整えること
  • 日本での就職を希望している外国人材と出会う場を積極的に設けること

この2つをおこない、

その上で、

  • キャリアパスを明確に示すこと
  • 発揮した能力、成果について基づいて評価すること
  • 日本の職業観を一方的に押し付けないこと

等をおこなうことが有効であるのではと感じました。

引き続き具体的な支援方法についてもご紹介していく予定です。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

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