コラム

Column

日本発グローバル企業はどうやって外国人を育成しているのか?

育成

近年、売上高比率が、国内より海外の方が高いという企業が増えてきました。
車全般を中心に、ユニクロや資生堂、ソニーやパナソニックなどのメーカー系企業がグローバル企業として展開をしています。

そうした日本発のグローバル企業は、工場や支社、店舗が世界に広がっていくのに合わせ、多くの外国人人材を雇用し、定着・育成を行っています。

今回は、そんな日本発のグローバル企業が人材育成において大切にしていることについて解説していきます。

 

 

 

トヨタのグローバル人材育成とは

2000年を迎えるにあたり、トヨタは、よりグローバル企業へと変化していくために世界中に展開している社員の共通の考え方・姿勢を設定しようと考え、『トヨタウェイ』という、全世界のトヨタで働く人が共通で持つべき考え方・姿勢を制定し2001年に発表しました。

下記はトヨタのサイトから抜粋したトヨタウェイの解説です。

トヨタウェイとは、創業以来、様々な経験をもとに形づくられ、「暗黙知」として受け継がれてきた経営上の信念や価値観を、誰にでも理解できるように整理・集約したものであり、トヨタで働く人間としてとるべき「行動原則」ということができます。トヨタには現在、世界27カ国で、30万人の人々が働いており、同じトヨタグループといえども、様々な価値観や文化、慣習が存在しています。しかしながらそうしたバックボーンの違いを越え、世界のどこであろうとも「トヨタのモノづくり」と「お客様満足」を実現するためには、こうしたトヨタ固有の信念や価値観をグループ内でしっかりと共有することが不可欠であるとして、2001年に現在の形として明文化されました。

トヨタウェイは「知恵と改善」「人間性尊重」の2本の柱で成り立っています。現状に満足せず、高い価値観を追求し、そのために知恵を絞りつづけること、あらゆるステークホルダーを尊重し、従業員の成長と会社の成果を結びつけること、この2つを常に念頭において行動することが、すべてのトヨタで働くものに求められています。また、この2つの柱は、『チャレンジ』『改善』『現地現物』『尊重』『チームワーク』の5つのキーワードに分けられます。

引用:https://toyota-saiyo.com/company/toyotaway.html

 

上記にあるように、人材育成の柱として(外国籍の方のバックグラウンドや違いを認めながらもトヨタで働く以上は絶対に持って欲しい価値観を明文化し、それを共有、体現してもらうことを育成の最重要ポイントにしているのです。

そして、トヨタウェイの制定および告知と合わせて、トヨタインスティテュートという人材育成に特化した機関を設立し、トヨタの育成のためのプログラムを実施し始めました(2002年)。

そのプログラムでは、グローバルトヨタの経営人材育成を目的とする『グローバルリーダー育成スクール』と、トヨタウェイ実践の為の実務教育を目的とする『ミドルマネジメント育成スクール』を行っています。まさに先述したトヨタウェイの実践をベースとしつつ、さらにその上のグローバルリーダーを育成するという形式になっています。

 

買収した57社全てを成功させてきた日本電産の人材育成とは

10兆円企業を目指し、着実に成長し続けている日本電産。
その凄さといえば、M&Aをした57社以上もの会社が1社も失敗しておらず、全て成長し、収益を上げている点です。
この点は、経済界でも大きな注目をあびています。

高値でつかまない、自社とのシナジーを考える、20年後を見据えるなど、買収する際のポイントは多くのインタビュー記事でも紹介されておりますが、もう1つ重要なポイントがあります。それは、買収先へ日本電産の価値観を浸透させていく人材育成手法にあります。

日本電産では、驚くべきことにほとんどの会社で買収先の社員をリストラせず、一人ひとりの能力を引き出すことで生産性を高め、黒字化や成長を成し遂げています。そしてそれは、買収先企業の多くを占める外国企業でも変わらずに行われているのです。

 

その手法を簡単にご説明します。

まずは、日本電産の三大精神である「情熱、熱意、執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」を徹底的に刷り込んでいきます。
これはもちろん国内企業のみではなく世界で買収した企業へも同じように行います。

さらに、「3Q6S」(3Q:良い社員、良い会社、良い製品/6S:整理、整頓、清潔、清掃、作法、躾)というのも掲げており、これも買収先企業に徹底していくのです。

これによって企業文化を融合させていくことで、買収を成功させることが出来るのです。

 

2015年からは上記をNidec Wayとしてまとめて日本電産グループが大切にする価値観・考え方とし、その浸透を行っています。
買収先の企業も最初は理解するのに時間がかかるそうですが、浸透していくと実際に成果として繋がっていくとのことです。

加えて、Nidecポリシーや永守イズムを伝えるため、会長の永守氏の考え方、行動の仕方をまとめた「挑戦への道(The Challenging Road)」を全世界に展開しています。
日本語を含む11言語(日本語、英語、中国語、タイ語、ベトナム語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ハンガリー語、スロバキア語)に翻訳されています。

 

 

 

まとめ

今回は、日本発で展開しているグローバル企業2社を取り上げ、人材育成手法を見てみました。いかがでしたでしょうか?

外国人人材を育成するには、違いを理解し、多様性を容認していくことが非常に大切になります。

しかし、同じ組織で働く以上絶対に大切にして欲しい価値観を明文化し、それを浸透させていくことも、同じくらい非常に重要であるというのを2社を見て感じました。

2社とも自社の価値観をWAYという名前で打ち出し、それを徹底的に浸透させる仕組みを持つことで価値観を共有、実践していける状態を作っています。

つまりは、自社で外国人人材を育成する場合、
①違いを理解し、認めていくこと
②自社の価値観やポリシーを明確化し、それを浸透させていく努力をすること
がポイントとなるのです。

お問い合わせはこちら

日本初の外国人育成・定着のプロ集団 外国人の育成・定着のお悩みを解決します。 お問い合わせ