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【外国人採用の現場から見えること】⑤特定技能での採用について

採用

今まで、外国人労働者の採用についての概要をお伝えしてまいりました。

今回は、2019年4月より施行された新たな在留資格「特定技能」での採用について詳しく話していきます。

まだまだ「特定技能」で就労している外国人は少ないものの、日本国内・海外での技能試験の実施に伴い、徐々に許可数が増えているようです。

 

「特定技能」のおさらい

 

「特定技能」は、決められた14職種に限られ、日本での就労が認められた在留資格で、最長で通算5年間日本での労働が認められます。ただし、家族の帯同が不可なこと、転職は可能だが同じ職種に限られるなどの制限もあります。また、技能実習生として3年以上滞在し、技能実習2号また3号修了試験に合格したものは無試験で特定技能に変更または申請をすることができます。その他の方については、「日本語試験」と職種ごとに行われる「特定技能評価試験」での一定のスコアまたは合格証が必要となります。

高度人材である「技術」・「人文知識」・「国際業務」との違いは、高度な知識や熟練した技術を待たなくてもある一定以上の日本語能力と職種の知識があると認められれば、日本で「労働力」として就労の許可がされます。

また、「技能実習生」は、日本の技術を学び、知識と経験をもとに母国でその技術を母国で発展のために活かすことを目的とした「研修生」であり、労働力ではありません。

 

日本語の能力を測る「日本語試験」ついて

「特定技能」では、日本ですぐに働けるように日本語でのある一定の能力が必要となります。日本語能力試験(JLPT)N4同等以上が必要となり、就労の際に日本語での指示が聞き取れ、自分の意思も伝えられることが望まれます。

JLPT試験は、日本国内ならびに海外(76ヶ国)でも日本語能力試験が毎年7月と12月に実施され、N5(下級レベル)からN1(上級レベル)までのうち、「特定技能」ではN4以上の合格が必要となります。

また海外では、「特定技能」の試験開催国(ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル)として定められた9ヶ国で、(独法)国際交流基金が実施する「日本語基礎テスト(JFT Basic)」が年に5回実施される予定です。A1(基礎段階の言語使用者)、A2、B1、B2、C1、C2(熟達した言語使用者)までのうち、A2以上の判定が必要となります。

 

各職種の能力を測る【特定技能評価試験】ついて

 

日本語能力試験の他に「特定技能」では、各職種で技能試験が実施され、技能実習生の修了者以外は、試験を受け合格する必要があります。

現在までの試験の実施状況は以下で、職種によっては日本国内のみまたは、海外でのみ実施がされてる職種もあります。今後は全ての職種で実施される予定ではありますが、未だ予定ですら出ていない職種もあるのが現状です。

▽実施状況▽

介護:実施国(フィリピン、カンボジア、ネパール、モンゴル、日本)

外食:実施国(日本)

宿泊業:実施国(日本、ミャンマー)

ビルクリーニング業:実施国(日本、ミャンマー)

飲食料品製造業:実施国(日本、フィリピン)

農業:実施国(フィリピン)

造船・舶用工業:実施国(フィリピン)

航空分野:実施国(モンゴル)

 

採用に関して

 

さて、本題の採用に関しては、「技能実習試験修了者」または「特定技能試験合格者」を国内また海外から採用する方法があります。

《国内での採用・技能実習2号修了者》

一番早く「特定技能」の外国人を採用できるのが、日本で現在「技能実習生」として働いている外国人で、在留資格が切れるタイミングで「特定技能」 に在留資格を変更することです。タイミングが必要とはなるものの実修生がそのまま同じ企業で働き続けることが最も望ましいことであり、申請許可もおりやすい。実習生が同じ業種で転職をする場合でも、日本語の試験や技能試験を受けることなく変更ができます。

 

《国内での採用・技能実習生以外》

次にすでに日本に滞在している外国人を採用する場合は、日本語能力試験を受けN4以上の合格と技能試験の合格も必要となります。

大概の長期滞在をしている外国人は、日本語学校を卒業している方々が多いため、N3以上のため、日本語に関しては問題ない方が多いかと思います。ただし、日本語学校に通っている方の多くはN3またはN2を目指しているため、実力はN4以上であっても試験を受けていない可能性もあるので注意しましょう

また、「特定技能評価試験」に関しては、職種ごとに勉強の仕方が違いますが、経験者でも試験対策をしないと受からない内容ですので、対策が必要です。さらに試験機関からテキストが自由に閲覧できる職種もあれば、専門学校に行かないと勉強できない内容など様々ですので、採用側である企業もどんな試験を受けてきているのかを知っておくべきでしょう。

 

《海外からの採用・技能実習2号修了者》

日本で技能実習生として3年または5年間の実習を積み、それぞれの修了試験に合格をして母国に戻った方も日本語ならびに技能試験を免除されます。ただし、帰国後に日本語を使う機会がなく、日本語を忘れている方も多いですので、面接の際にしっかりと確認をする必要があります。修了者は、改めて日本へのビザの取得から始まり、特定技能の在留資格を取る必要があるため、手続きに国内にいる方の申請にプラス1~2ヶ月は見たほうが無難でしょう。

 

《海外から採用・技能実習生以外》
国によっては、日本では行っていない特定技能評価試験を実施している国もあるため、現在では海外からのみ特定技能として採用する方法がない職種もあります。日本に来日したことがない方もいるため、技能実習生の経験を持つ方に比べ、日本語が劣っている方や日本の文化、生活習慣、商習慣、など知識面や経験面で劣るため、就職後のトラブルや言葉の問題など受け入れ側の対応が求められる場面が増えることでしょう。面接では、しっかりとした採用する人物像や経験、日本語レベルなども確認をしたうえで採用をお勧めします。

 

【申請に必要な書類】

それぞれ「特定技能」となるためには、70種類前後の書類が必要となります。

特定技能を希望する外国人からの資料はもちろん、受入れ企業に関しての書類、登録支援機関または、外国人の支援をする責任者・担当者の書類など様々です。実際に提出をした行政書士からは、入管も手探り状態のため追加の書類が必要だったり、細かな質問をされることもあるとのこと。書類が整っていたとしても時間がイメージ以上に係る場合がありますので、入職時期はフレキシブルに考えておく方がいいかと思います。

参考:特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表

http://www.moj.go.jp/content/001289247.pdf

 

まとめ

即戦力として期待される外国人労働者「特定技能」ですが、日本政府も慎重なところがあますが、それ以上に受入れ企業も他社の様子を見てからといった状況があります。

また、海外の反応もフィリピンは積極的に動いているものの他の国は、あまり騒ぎ立てるような動きがない状態です。日本以外にも労働環境が整った国々も増えてきているため、受け入れる日本企業の理解と態度が今後の外国人労働者が本当の意味での「人手不足解消」になるかどうかのカギとなります。外国人に関しての知識を持ち、共存していかなければならない時代となっておりますので、採用前に専門家にご相談の上、ご検討下さい。

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